2026年、自動車業界で大きな注目を集めたニュースがありました。
カー用品最大手のオートバックスが、中国自動車大手の奇瑞汽車(チェリー)と提携し、新たなEVブランド「EMTA(エムタ)」を立ち上げると発表したのです。
しかも狙うのは、日本市場最大のカテゴリーである軽自動車です。
なぜオートバックスは中国メーカーと組むのでしょうか。そしてEMTAは日本市場を変える存在になるのでしょうか。
EMTAとはどんなブランドなのか
EMTAは、オートバックスセブン、中国の奇瑞汽車、江蘇悦達汽車集団、国軒高科、アネスト岩田などが参加する新しいEVブランドです。
特徴は、従来の自動車メーカーとは異なる分業体制です。
- オートバックス:販売・サービス
- 奇瑞汽車:開発支援
- 江蘇悦達汽車:生産
- 国軒高科:バッテリー
- アネスト岩田:塗装技術
それぞれの強みを組み合わせることで、日本市場向けEVを投入する計画です。
2027年には軽EVの発売を目指しているとされています。
なぜオートバックスが自動車メーカーになるのか
最大の理由はEV時代です。
ガソリン車時代は、
- エンジン開発
- トランスミッション開発
- 排ガス技術
など莫大な技術力が必要でした。
しかしEVは構造が比較的シンプルです。
そのため、「自動車メーカーではない企業でも参入しやすくなった」という変化が起きています。
スマートフォン市場で家電メーカーや新興企業が参入した現象に近いと言えるでしょう。
オートバックスは全国に店舗網を持っており、
- 販売
- 整備
- アフターサービス
という強みがあります。
そこに中国のEV技術を組み合わせることで、新しいビジネスモデルを作ろうとしているのです。
なぜ中国メーカーの奇瑞が選ばれたのか
奇瑞汽車は日本では知名度が高くありません。
しかし中国では有力メーカーの一つです。
特に海外展開に強く、
- 中東
- 南米
- 東欧
- ロシア
などで大きな販売実績を持っています。
中国メーカーの中でも輸出経験が豊富であることが評価されたと考えられます。
また、中国メーカーはEV開発スピードが非常に速く、日本メーカーより低コストで開発できる強みがあります。
オートバックスはその技術力を活用したいのでしょう。
BYDラッコとの違いは何か
最近話題になっているBYDの軽EV「ラッコ」と比較されることも増えています。
しかし両者には大きな違いがあります。
BYDラッコは、
- BYDブランド
- BYD販売店
- BYD独自戦略
です。
一方EMTAは、
- 日本企業主導
- オートバックス販売網
- 中国技術を活用
という形です。
つまり、「中国メーカーが日本に来る」のではなく、「日本企業が中国技術を利用する」という構図になっています。
ここが最大の違いです。
軽EV市場は本当に拡大するのか
EMTAやBYDが軽EVへ参入する背景には、日本市場の特殊性があります。
日本では軽自動車が圧倒的な人気を誇ります。
特に地方では、
- 維持費が安い
- 駐車しやすい
- 税金が安い
という理由から需要が非常に高いです。
EV化が進めば、この軽市場が次の成長分野になる可能性があります。
中国メーカー各社が軽EVへ注目しているのも、この巨大市場を狙っているためです。
EV時代は維持費競争の時代になる
EV市場が拡大すると、車両価格だけでなく維持費も重要になります。
EVはガソリン代が不要になる一方で、毎月の電気代が発生します。
そのため、
- 充電コスト
- 電力契約
- 家庭の電気料金
も車選びの重要な要素になります。
EMTAは日本市場を変えるのか
EMTAが成功するかどうかはまだ分かりません。
しかし一つ確かなのは、日本の自動車業界が大きな転換点を迎えていることです。
これまでは中国メーカーが日本市場へ参入するだけでした。
しかし今後は、
- 日本企業
- 中国メーカー
- 中国バッテリー企業
が共同で新ブランドを作る時代になりつつあります。
もしEMTAが成功すれば、日本の自動車業界に新たな競争が生まれるでしょう。
軽EV市場をめぐる戦いは、これからさらに激しくなりそうです。

