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東アジアの軍事力ランキング2026|中国・日本・韓国・台湾・北朝鮮を数字で比較

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東アジアで最も大きな軍事力を持つ国はどこだろうか。兵士の数だけ見れば中国と北朝鮮が際立っているが、今の軍事力は戦車や兵員数だけでは測れない。戦闘機や潜水艦、ミサイル、人工衛星、サイバー攻撃能力、補給体制、同盟国との情報共有まで含めて考える必要がある。

この記事では、2025〜2026年に公表された資料をもとに、中国、日本、韓国、北朝鮮、台湾、ロシア極東軍の軍事力を具体的な数字で比較する。ただし、中国や北朝鮮の装備数には非公表部分が多く、各国政府や研究機関の推計が含まれることもある。

保管中の旧式装備と即戦投入可能な装備が同じように数えられる場合もあるため、単純な順位付けではなく、それぞれの軍隊がどんな目的で編成されているのかを読み解くことが大切だ。

目次

東アジアの軍事力を一覧表で比較

主要国・地域の軍事力を大まかに比較すると、次のようになる。

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国・地域総兵力戦車艦艇作戦機核兵器
中国約204万人約5,000両規模370隻以上約2,000機規模600発台前半
北朝鮮約128万人約3,500両約785隻約550機保有、弾頭数は推計
韓国約50万人約2,110両約230隻約570機なし
日本約22万人約300両主要艦艇約140隻約420機なし
台湾約17万人約1,000両前後約150隻約420機なし

各国で「艦艇」「航空機」の集計基準が異なるため、表の数字は厳密な同一条件ではない。北朝鮮の約785隻には小型高速艇や小型潜水艇が多く含まれる一方、日本や韓国は大型の護衛艦、駆逐艦、潜水艦を多数保有する。したがって、北朝鮮海軍が日本の海上自衛隊より強いという意味ではない。日本の防衛省も、中国約204万人、台湾約17万人、北朝鮮約128万人、韓国約50万人という規模を示す一方、装備の質、任務、艦艇の排水量を分けて比較している。

東アジアで最も軍事力が強い国は中国

中国人民解放軍の総兵力は約204万人で、東アジア最大である。陸上兵力だけでも約96万人に達し、海軍、空軍、ロケット軍、宇宙・サイバー・情報部門を含む巨大な統合軍を形成している。ただし、中国軍の本当の強さは兵士の数ではない。長距離ミサイル、人工衛星、無人機、電子戦装置、巨大な造船能力を組み合わせ、台湾周辺や東シナ海で米軍や自衛隊を近づけにくくする能力にある。

中国陸軍の戦車・装甲車・火砲の保有数

中国陸軍は99式、96式、15式軽戦車など約5,000両規模の戦車を保有するとみられている。旧式車両まで含める資料では、さらに大きな数字になる。陸上兵力の規模は日本や台湾を大きく上回るが、台湾侵攻では戦車を台湾海峡の向こう側へ輸送しなければならない。戦車が5,000両あっても、上陸用艦艇、民間輸送船、港湾、制空権、制海権がなければ台湾本島では使用できない。

中国はこの弱点を補うため、大型揚陸艦だけでなく、貨物船、フェリー、RORO船など民間船舶を軍事輸送へ転用する訓練を進めている。これは中国特有の「軍民融合」を象徴する動きである。日本では民間企業の設備や従業員を軍の命令で一斉に動員することは難しいが、中国では国防動員法などを根拠に、交通、通信、港湾、物流企業を軍事活動へ組み込みやすい。

中国海軍の空母・駆逐艦・潜水艦の保有数

中国海軍は艦艇数で世界最大級となり、戦闘艦艇と潜水艦を合わせて370隻以上を保有するとされる。空母は「遼寧」「山東」「福建」の3隻体制となり、福建は電磁式カタパルトを採用した中国初の空母である。大型の055型駆逐艦、052D型駆逐艦、054A型フリゲート、通常動力潜水艦、原子力潜水艦も継続的に増えている。

ただし、艦艇数だけで中国海軍と海上自衛隊を比べるのは適切ではない。中国海軍は沿岸防衛型から遠洋海軍へ急速に拡大している一方、空母航空団の運用、遠洋補給、潜水艦の探知、複数軍種を同時に動かす統合作戦では、米海軍ほど長い経験を持たない。日本は艦艇の総数では中国に及ばないが、潜水艦、哨戒機、護衛艦、海底音響監視を組み合わせた対潜水艦戦を長年重視してきた。

中国空軍の戦闘機・爆撃機・無人機の保有数

中国は空軍と海軍航空隊を合わせて約2,000機規模の戦闘・攻撃用航空機を持つと推計される。主力はJ-10、J-11、J-16、J-20などで、特にステルス戦闘機J-20の増産が続いている。さらにH-6爆撃機、Y-20大型輸送機、早期警戒機、空中給油機、偵察・攻撃無人機を増やしている。

戦闘機数では日本、韓国、台湾の各空軍を単独で大きく上回る。しかし、中国軍機が台湾や日本周辺で継続的に活動するには、整備、人員、燃料、部品、滑走路の確保が必要になる。航空戦では保有機数より、同時に出撃できる機数、再出撃までの時間、基地が攻撃された後の復旧能力が重要になる。

中国の核弾頭は600発台前半

米国防総省は、中国の核弾頭数が2024年を通じて600発台前半に達し、2030年には1,000発を超える軌道にあると分析している。中国は大陸間弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル、核搭載可能な爆撃機をそろえ、米国やロシアと同様の「核の三本柱」を構築しようとしている。

中国が重視するのは核兵器だけではない。DF-21DやDF-26などの対艦弾道ミサイル、DF-17極超音速兵器、地上発射巡航ミサイルを大量に配備し、沖縄、九州、グアム、米海軍空母を攻撃できる体制を整えている。中国軍の目的は、米軍に正面から勝つことだけではなく、米軍が台湾周辺へ接近する前に基地、通信、衛星、艦艇へ損害を与え、介入の費用を引き上げることである。

日本の自衛隊は中国軍に対抗できるのか

日本の自衛隊は、定員約24万7,000人に対して実員が約22万人にとどまり、充足率は約9割である。中国の約204万人と比べれば約9分の1だが、日本は中国本土へ大規模な陸上部隊を送り込む軍隊ではない。日本周辺の海空域を監視し、航空機、艦艇、潜水艦、ミサイルから国土を防衛することを中心に構成されている。

陸上自衛隊の戦車が少ない理由

陸上自衛隊の戦車は約300両で、中国や韓国より大幅に少ない。これは日本が島国であり、朝鮮半島や中国大陸のような大規模戦車戦を想定していないためである。陸上自衛隊は戦車を減らす一方、道路で素早く移動できる16式機動戦闘車、地対艦ミサイル、地対空ミサイル、水陸機動団を強化している。

特に南西諸島では、上陸してきた敵の戦車と地上戦を行う前に、接近する艦艇や航空機を長射程ミサイルで攻撃する構想が中心になる。日本の防衛力は「戦車の数」より、島々に分散したミサイル部隊をどこまで生存させられるかで評価すべきだ。

海上自衛隊の潜水艦・護衛艦・対潜能力

海上自衛隊は護衛艦約50隻、潜水艦22隻を中核とし、哨戒機、哨戒ヘリ、掃海艦艇、補給艦を組み合わせている。中国海軍より規模は小さいものの、潜水艦の静粛性、対潜水艦戦、機雷除去、米海軍との共同運用では高い能力を持つ。

いずも型護衛艦2隻はF-35B戦闘機を運用できるよう改修が進められている。ただし、中国の大型空母と同じ目的ではなく、限られた数の航空機を洋上や離島周辺で運用するための艦艇と考えるべきである。

航空自衛隊のF15・F35・早期警戒機

航空自衛隊はF-15、F-2、F-35Aを中心に約330機の戦闘機を保有するほか、早期警戒機、空中給油機、輸送機を運用している。中国に比べれば機数は少ないが、日本は地上レーダー、早期警戒機、海上自衛隊、米軍の情報を共有できる。

一方で、航空基地が少数の滑走路へ集中していることは大きな弱点である。中国が多数の弾道・巡航ミサイルで滑走路、格納庫、燃料施設を攻撃すれば、戦闘機が残っていても離陸できなくなる。このため自衛隊は、航空機を複数基地へ分散させる訓練や、攻撃を受けた滑走路を短時間で復旧する能力を強化している。

自衛隊最大の弱点は装備より人員不足

日本の問題は、戦車や戦闘機の数だけではない。自衛官の定員割れが続き、部隊によっては警戒、整備、補給、輸送を担う人員が不足している。高度な装備を購入しても、24時間の監視、部品交換、弾薬輸送、基地復旧を続ける人がいなければ、長期間の戦闘には耐えられない。

中国は人口減少が進んでいるものの、現時点では日本よりはるかに大きな人員基盤と製造業を持つ。日本が中国と同じ数の艦艇やミサイルを持つことは現実的ではないため、日米同盟、無人機、分散運用、省人化、弾薬備蓄が重要になる。

韓国の軍事力は日本より強いのか

韓国軍の総兵力は約50万人、陸上兵力は約37万人で、日本よりはるかに大きい。戦車はK1、K2、M48など約2,110両、作戦機は約570機で、F-16約165機、F-15約59機、F-35約39機を保有する。艦艇は約230隻で、潜水艦、イージス駆逐艦、大型揚陸艦も整備している。

韓国が日本より多くの戦車、火砲、陸上兵力を持つのは、北朝鮮との軍事境界線で地上戦が発生する可能性があるからだ。日本の主戦場が海と空であるのに対し、韓国は首都ソウルから軍事境界線までの距離が短く、北朝鮮軍の戦車、砲兵、特殊部隊を陸上で阻止する必要がある。

したがって「韓国軍と自衛隊のどちらが強いか」という比較に単純な答えはない。陸上戦と火砲では韓国が大きく、対潜水艦戦、掃海、外洋での海上作戦では日本が強い。両国は同じ米国の同盟国でも、想定する戦場が異なるのである。

北朝鮮の軍事力はなぜ無視できないのか

北朝鮮軍の総兵力は約128万人、陸上兵力は約110万人で、中国に次ぐ巨大な軍隊である。戦車はT-62、T-54、T-55系列など約3,500両、艦艇は約785隻、作戦機は約550機とされる。もっとも、戦車や航空機の多くは旧式であり、通常兵器の性能では韓国軍と在韓米軍に大きく劣る。

北朝鮮海軍の785隻が強大とは限らない

北朝鮮海軍の艦艇数は日本や韓国より多く見えるが、その中心は小型高速艇、哨戒艇、小型潜水艇である。防衛省によると、北朝鮮は旧式のロメオ級潜水艦約20隻、小型潜水艦約30隻、エアクッション揚陸艇約140隻を保有している。大型艦艇同士の戦闘では日米韓に劣るが、特殊部隊の潜入、機雷敷設、沿岸での奇襲には利用できる。

北朝鮮の強さは火砲・地下施設・核兵器

北朝鮮の脅威は、古い戦車や戦闘機ではなく、大量の火砲、地下施設、特殊部隊、弾道ミサイル、核兵器にある。240ミリ多連装ロケットや170ミリ自走砲などが軍事境界線付近に配備され、ソウルを含む韓国北部が射程に入る。山岳地帯には多数の地下施設があり、航空攻撃を受けても部隊やミサイルを隠しやすい。

防衛省は、北朝鮮が日本を射程に収める弾道ミサイルへ搭載するために必要な核兵器の小型化・弾頭化をすでに実現し、日本を攻撃できる能力を持つと分析している。北朝鮮は通常戦力で韓米軍に勝てなくても、核兵器を使う可能性を示すことで、米国や韓国の意思決定を揺さぶることができる。

台湾の軍事力で中国の侵攻を防げるのか

台湾軍の総兵力は約17万人、陸上兵力は約9万4,000人で、中国軍との兵力差は約12倍に達する。作戦機は約420機、艦艇は約150隻とされるが、中国との戦力差は海空軍を中心に拡大している。

台湾が中国と同じ数の戦車、戦闘機、艦艇を保有することは不可能である。そのため台湾は、F-16Vや潜水艦などの大型装備に加え、地対艦ミサイル、機雷、携帯型防空ミサイル、無人機、移動式発射機、地下施設を重視する「非対称戦」を進めている。

中国軍が台湾へ侵攻する場合、約130キロメートルの台湾海峡を越えて兵士、戦車、燃料、弾薬、食料を運び続けなければならない。台湾側は中国軍全体を破壊する必要はない。輸送船、揚陸艦、港湾、補給拠点へ損害を与え、上陸後の補給を止めれば、中国軍の作戦を失敗させられる可能性がある。

一方、中国は平時から軍用機、艦艇、海警船、無人機を台湾周辺へ送り、台湾軍に継続的な警戒を強いている。台湾国防部によると、2025年1月から9月までに、中国軍機延べ3,003機が台湾海峡の中間線を越えるか、台湾周辺の空域へ進入した。これは侵攻そのものではなくても、台湾側の航空機、整備員、燃料、レーダーを消耗させる作戦である。

ロシア極東軍は日本にとって脅威なのか

ロシアは全軍として多数の核兵器、戦車、航空機、潜水艦を保有するが、そのすべてが極東に配備されているわけではない。ウクライナ侵攻後は極東の部隊や装備も西部戦線へ投入され、通常戦力の一部が消耗したとみられる。

それでも、ロシア太平洋艦隊は戦略原子力潜水艦、攻撃型原子力潜水艦、巡航ミサイル搭載艦を保有する。極東にはSu-35、Su-30、MiG-31などの航空機も配置され、長距離爆撃機が展開することも可能だ。北方領土や千島列島には地対艦ミサイル、地対空ミサイル、地上部隊が置かれている。

ロシアの最大の脅威は戦車数ではなく、核兵器と長距離ミサイルである。通常戦力がウクライナで消耗しても、日本へ到達可能な核ミサイル、爆撃機、原子力潜水艦の能力が消えるわけではない。

国防費では中国が日本の5倍以上

SIPRIによる2025年の軍事支出は、中国が約3,360億ドル、日本が約622億ドル、韓国が約478億ドル、台湾が約182億ドルだった。中国は日本の約5.4倍、韓国の約7倍、台湾の約18倍を支出している。中国の軍事費は31年連続で増加し、2025年は前年比7.4%増となった。

国・地域2025年軍事支出GDP比
中国約3,360億ドル約1.7%
日本約622億ドル約1.4%
韓国約478億ドル非公表値を含む
台湾約182億ドル約2.1%
ロシア約1,900億ドル約7.5%

中国のGDP比1.7%は、それほど高く見えない。しかし、経済規模そのものが巨大であり、造船、鉄鋼、電子部品、通信機器、ドローンを国内で量産できる。さらに中国国内では人件費や製造費が日本や米国と異なるため、ドル換算した軍事費だけで調達量を比較することはできない。

中国の造船所は軍艦だけでなく、コンテナ船、タンカー、フェリーも建造する。民間向けの巨大な製造能力が、必要に応じて軍事生産や輸送能力へ転換されることが、中国軍拡の最大の土台である。

中国特有の制度が軍事力を拡大させる理由

中国人民解放軍は、日本の自衛隊や一般的な国軍とは成り立ちが異なる。人民解放軍は国家そのものではなく、中国共産党の指導下に置かれた軍隊である。最高指導機関は国務院ではなく、中国共産党中央軍事委員会であり、軍に求められる最優先の忠誠対象も共産党となる。

この構造により、中国では軍事、産業、科学技術、交通、通信を党の方針で統合しやすい。国有企業だけでなく、民間企業や大学にも軍事技術の研究・供給を担わせる「軍民融合」が進められてきた。造船所で民間船と軍艦を並行して建造し、民間衛星や通信網を軍が利用し、民間フェリーを軍事輸送訓練へ参加させることが可能になる。

日本でも防衛産業と民間企業の連携は進んでいるが、政府が民間企業の人員や設備を党の命令で一斉に動員する中国とは制度が異なる。日本は議会、法律、予算、自治体、住民との調整が必要であり、装備の配備や基地建設に時間がかかる。中国は決定の速度で優位に立ちやすい一方、現場が政治的な失敗を恐れ、悪い情報を上層部へ報告しにくいという権威主義体制特有の弱点も抱える。

東アジアの軍事力は兵員数だけでは決まらない

兵員数だけを比較すれば、中国約204万人、北朝鮮約128万人、韓国約50万人、日本約22万人、台湾約17万人となる。しかし、現代戦では大勢の兵士がいるだけでは勝てない。

重要なのは、敵を発見する人工衛星とレーダー、情報を部隊へ伝える通信網、正確に攻撃するミサイル、航空機や艦艇を維持する整備能力、燃料と弾薬を運ぶ補給網である。さらに、基地が攻撃された後も滑走路、港湾、通信設備を復旧し、何週間も作戦を継続できるかが勝敗を左右する。

北朝鮮の戦車約3,500両には旧式車両が多く、中国海軍の艦艇370隻以上にも任務や性能の差がある。反対に、少数の潜水艦や長射程ミサイルでも、相手の空母や輸送船へ大きな損害を与えられる可能性がある。「何両あるか」より、「何両を動かせるか」「何日間動かし続けられるか」が重要なのである。

在日米軍・在韓米軍を含めると軍事バランスは変わる

東アジアの軍事力を日本、中国、韓国、北朝鮮、台湾だけで比較すると、実際の戦略環境を見誤る。日本には約5万人規模の米軍、韓国には約2万8,500人規模の米軍が駐留し、横須賀、嘉手納、岩国、佐世保などに艦艇、航空機、海兵隊、補給施設が配置されている。

米第7艦隊は日本とグアムを中心に前方展開し、空母、駆逐艦、潜水艦、戦闘機、早期警戒機を運用する。日本の自衛隊は単独で中国軍と同じ装備数をそろえるのではなく、米軍の偵察衛星、原子力潜水艦、爆撃機、空母、核抑止力と連携することを前提としている。

そのため中国が警戒しているのは自衛隊だけではない。台湾有事が発生した場合、中国は沖縄、九州、本州、グアムの米軍基地と自衛隊基地が介入拠点になると考える。中国のミサイル戦力が日本列島まで対象にしているのは、この日米同盟の構造があるためだ。

東アジアの軍拡は日本人にどう影響するのか

最も分かりやすい影響は、防衛費の増加である。日本の2025年軍事支出は約622億ドルとなり、前年比9.7%増加した。長射程巡航ミサイル、偵察衛星、弾薬、無人機、基地防護への投資が増える一方、社会保障、インフラ、教育などとの財源配分が問題になる。

台湾海峡で衝突や封鎖が発生すれば、日本へ運ばれる半導体、電子部品、エネルギー、日用品に影響が及ぶ。中国沿岸と台湾周辺は、日本の貿易船が通る重要な海域である。全面戦争にならなくても、船舶保険料の上昇、航路変更、物流遅延、株価下落、電子機器や自動車の生産停止が起こり得る。

沖縄、九州、南西諸島の住民にとっては、さらに直接的な問題となる。自衛隊や米軍の基地は抑止力になる一方、有事には中国や北朝鮮のミサイル攻撃目標になる可能性がある。住民避難、空港・港湾の利用、食料や燃料の備蓄、通信障害への対応は、軍事専門家だけの問題ではない。

サイバー攻撃も現実的な脅威である。発電所、通信会社、金融機関、鉄道、港湾、自治体のシステムが攻撃されれば、ミサイルが飛来しなくても市民生活は混乱する。現代の東アジア有事では、戦場と日常生活の境界が薄くなっている。

東アジアの軍事力は2030年までにどう変わるのか

2030年に向けて、中国は空母、潜水艦、ステルス戦闘機、無人機、人工衛星、核弾頭をさらに増やす可能性が高い。特に核弾頭は1,000発を超えると米国防総省が予測しており、中国は米国とロシアに続く本格的な核大国へ近づく。

日本はトマホーク、改良型12式地対艦誘導弾、無人機、衛星、基地防護、弾薬備蓄を強化する。韓国は北朝鮮のミサイルを発射前後に破壊する能力と報復能力を拡充し、台湾は大型兵器だけでなく、移動式ミサイル、無人機、機雷、予備役訓練を重視するだろう。

北朝鮮は旧式の通常兵器を大量に維持しながら、固体燃料式弾道ミサイル、戦術核、潜水艦発射ミサイルを増強すると考えられる。ロシアも中国、北朝鮮との軍事協力を深め、日本海、東シナ海、太平洋で共同活動を増やす可能性がある。

今後の競争の中心は、戦車や有人戦闘機の保有数だけではない。AI、無人機、宇宙、サイバー、電子戦、海底ケーブル、民間通信網、半導体供給網までが軍事力の一部になる。平時の経済力と製造能力が、そのまま有事の継戦能力へつながる時代である。

まとめ|東アジアの軍事力は数より継戦能力が重要

東アジアで最大の総合軍事力を持つのは中国である。約204万人の兵力、370隻以上の海軍、約2,000機規模の戦闘・攻撃用航空機、600発台前半の核弾頭、世界最大級の造船・製造能力を持ち、量と技術の両面で周辺国を上回る。

北朝鮮は約128万人の兵力と大量の旧式兵器を保有し、核・ミサイル・地下施設によって不足する技術力を補っている。韓国は地上戦を想定した約50万人の軍隊と約2,110両の戦車を持つ。日本は約22万人と規模は小さいが、潜水艦、対潜水艦戦、警戒監視、米軍との連携を重視する。台湾は約17万人で中国と正面から量を競わず、ミサイル、機雷、無人機、地下施設によって侵攻の成功を困難にしようとしている。

ただし、兵員数や装備数だけで戦争の結果は予測できない。重要なのは、最初のミサイル攻撃を受けた後も通信、滑走路、港湾、電力、補給網を維持し、数週間から数カ月にわたって戦闘を継続できるかである。東アジアの軍事バランスを決めるのは、カタログ上の兵器数ではなく、産業、同盟、情報、補給、国民動員を含めた国家全体の持久力なのである。

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この記事を書いた人

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