洋上風力発電は世界中で急速に拡大しています。
しかし現在主流となっているのは、海底に基礎を固定する「着床式洋上風力」です。
一方で、今後の本命として注目されているのが「浮体式洋上風力発電」です。
特に日本と中国は、アジアの浮体式洋上風力開発をリードする可能性を持つ国として注目されています。
この記事では、中国と日本の浮体式洋上風力の違いをわかりやすく解説します。
浮体式洋上風力とは何か

浮体式洋上風力とは、海底に固定せず、海に浮かべた構造物の上に風車を設置する発電方式です。
従来の着床式は水深50~60メートル程度が限界とされています。
しかし浮体式であれば、水深100メートル以上の海域でも設置できます。
そのため世界中で次世代の洋上風力として期待されています。
なぜ日本は浮体式が必要なのか
日本の海は欧州と大きく異なります。
イギリスやデンマーク周辺の北海は遠浅です。
そのため着床式を大量に建設できます。
しかし日本近海は沿岸から急激に深くなります。
例えば、
- 北海道沖
- 東北沖
- 九州沖
- 四国沖
などは浮体式でなければ大規模開発が難しい海域です。
つまり日本にとって浮体式は選択肢ではなく、本命技術なのです。
中国はなぜ浮体式に参入したのか
中国は洋上風力全体ではすでに世界最大市場です。
ただし現在の主力は着床式です。
それでも近年、中国は浮体式の開発を急速に進めています。
理由は単純です。
沿岸部の好条件な海域が徐々に減り始めているからです。
今後さらに発電量を増やすには、より深い海域へ進出する必要があります。
そのため中国政府や国有企業は浮体式への投資を拡大しています。
中国の強みは量産力
中国の最大の強みは製造能力です。
風車だけでなく、
- 浮体構造物
- 鋼材
- 海底ケーブル
- 発電設備
- 施工船
まで国内で調達できます。
さらに巨大な国内市場があります。
EVや太陽光パネルと同じように、大量生産によってコストを下げる戦略を取っています。
将来的には浮体式でも中国企業が価格競争を仕掛ける可能性があります。
日本の強みは海洋技術
一方、日本は量産では中国に勝てません。
しかし別の強みがあります。
海洋土木技術
日本は長年にわたり港湾工事や海洋構造物建設を行ってきました。
耐台風技術
日本周辺海域は世界有数の台風地帯です。
そのため強風や高波に耐える設計技術が求められます。
浮体技術
造船技術や海洋プラント技術を応用できます。
浮体式洋上風力では、むしろ日本が得意とする分野が多く存在します。
現時点では中国が先行
実用化のスピードを見ると、中国が先行しています。
中国では大型浮体式風車の実証が進み、商業化を見据えたプロジェクトも増えています。
一方、日本は実証実験や制度整備が中心です。
つまり現状は、
中国=商業化へ向かう段階
日本=技術開発を進める段階
という違いがあります。
日本に勝機はあるのか
あります。
ただし風車本体ではありません。
今後期待される分野は、
- 浮体設計
- 係留システム
- 海洋土木
- メンテナンス
- 耐台風技術
- 海底送電
です。
完成風車で中国に勝つのは難しくても、周辺技術では十分に戦える可能性があります。
浮体式洋上風力は電力価格にも影響する
浮体式洋上風力が普及すれば、再生可能エネルギー比率が高まり、将来的な電力供給の安定化につながる可能性があります。
もちろんすぐに電気代が安くなるわけではありません。
しかしエネルギー輸入への依存を減らすことは、日本にとって重要な課題です。
電気料金を見直したい人へ
電力自由化によって、現在は多くの電力会社から料金プランを選べるようになりました。
家庭の固定費を見直したい場合は、電力比較サービスを活用するのも一つの方法です。
まとめ
中国と日本の浮体式洋上風力は、目指す方向が少し異なります。
中国は、
- 巨大市場
- 量産力
- 国家主導の投資
を武器に商業化を進めています。
一方、日本は、
- 深海向け技術
- 海洋土木
- 浮体構造
- 耐台風技術
を武器に戦おうとしています。
浮体式洋上風力は、まだ勝者が決まっていない市場です。
将来のエネルギー競争を考える上で、中国と日本の動向はますます重要になっていくでしょう。

