MENU

BYDはなぜ欧州工場を増やすのか?ステランティス再編に見る中国EVの侵食圧力

当ページのリンクには広告が含まれています。
  • URLをコピーしました!

中国EV最大手のBYDが欧州で生産拠点の拡大を進めています。

かつて中国メーカーは欧州へ完成車を輸出する立場でした。しかし現在は違います。ハンガリーやトルコで工場建設を進め、欧州現地でEVを生産する体制を整えつつあります。

その一方で、欧州自動車大手ステランティスは工場再編を進めています。

なぜ中国メーカーは欧州工場を増やし、欧州メーカーは再編を進めているのでしょうか。

そこには自動車産業の主導権を巡る大きな変化があります。

目次

中国EVメーカーはなぜ欧州工場を欲しがるのか

輸出だけでは限界がある

中国メーカーにとって欧州は重要市場です。

しかし近年、EUは中国製EVへの追加関税を導入しました。

その結果、中国から完成車を輸出するモデルは以前ほど有利ではなくなっています。

そこでBYDが選んだのが現地生産です。

欧州で販売する車を欧州で作れば、関税問題を回避しやすくなります。

ハンガリーとトルコが重要拠点

BYDはハンガリー工場に続き、トルコでも生産拠点整備を進めています。

両国には共通点があります。

  • 人件費が西欧より安い
  • 欧州市場へアクセスしやすい
  • 自動車産業の基盤がある

つまり中国メーカーにとって理想的な生産拠点なのです。

ステランティス再編が意味するもの

欧州自動車産業は過剰設備問題を抱える

欧州ではEV需要の伸びが鈍化しています。

その一方で工場は大量に存在します。

結果として、

  • 生産能力過剰
  • 利益率低下
  • 工場再編

が進んでいます。

ステランティスの工場再編もその流れの一部です。

雇用維持と競争力は別問題

欧州政府は雇用維持を重視します。

しかし企業は利益を確保しなければなりません。

そのため欧州メーカーは、

  • 不採算工場の整理
  • 生産拠点集約
  • EV投資集中

を進めています。

中国メーカーはその隙を狙っています。

BYDが強い本当の理由

EVを構成する重要部品を自社で持つ

BYD最大の強みは内製化です。

同社は

  • 電池
  • モーター
  • 半導体
  • 車載システム

を幅広く自社で手掛けています。

多くの自動車メーカーが部品メーカーに依存する中、BYDは垂直統合モデルを構築しています。

中国市場が巨大な実験場になった

中国は世界最大のEV市場です。

国内競争が激しいため、

  • 低コスト化
  • 生産効率向上
  • ソフトウェア開発

が急速に進みました。

その成果を欧州市場へ持ち込んでいるのです。

日本メーカーへの影響

関税では日本が有利

日本車はEUとのEPAにより関税面では有利です。

一方、中国製EVは追加関税の対象です。

そのため現時点では日本メーカーが有利な部分もあります。

しかしBYDは現地生産で対応する

問題はBYDがその差を消そうとしていることです。

現地工場を増やせば、

  • 関税リスク低下
  • 輸送コスト削減
  • 現地雇用創出

が可能になります。

欧州で中国メーカーが「外国企業」ではなく「欧州企業」に近い存在になれば、競争はさらに厳しくなります。

EVホームが注目される理由

今回のニュースは中国EVメーカーの話ですが、本質はEVインフラ競争です。

EVが普及するためには、

  • 車両
  • 充電設備
  • 電力網
  • 蓄電池

が必要になります。

中国がEVで強い理由の一つは、車だけでなく充電インフラ整備も進めてきたからです。

日本でもEV普及が進む中、自宅充電設備への関心は高まっています。

EVホームはEV充電設備の設置や相談に対応しており、EV時代のインフラ整備を考える上で注目されるサービスです。

電気自動車(EV)充電工事なら【EVホーム】

まとめ

BYDの欧州進出は単なる海外進出ではありません。

それは中国EVメーカーが欧州の産業基盤そのものへ入り込み始めたことを意味します。

欧州メーカーが再編を進める一方で、中国メーカーは工場を増やしています。

今後の競争は、

  • 車の性能
  • バッテリー
  • ソフトウェア
  • 生産拠点
  • 充電インフラ

を含めた総力戦になるでしょう。

BYDの工場拡大は、中国EVが次の段階へ進んだことを示す象徴的な出来事なのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東アジア観測所は、中国・東アジアの経済、社会、テクノロジー、地政学を観察するメディアです。
ニュースの表面だけでなく、「なぜそうなるのか」を生活者目線でわかりやすく整理しています。投資・旅行・通信・防災など、日本人の暮らしやビジネスに関係するテーマも扱います。

目次