南シナ海や尖閣諸島のニュースでよく登場するのが「中国海警局(かいけいきょく)」です。
中国海警局の船がフィリピン船に放水した、中国海警局の船が尖閣諸島周辺に侵入した、といった報道を見たことがある人も多いでしょう。
しかし、中国海警局は海軍なのでしょうか。それとも海上保安庁のような組織なのでしょうか。
この記事では、中国海警局の正体や役割、中国海軍との違いをわかりやすく解説します。
中国海警局とは何か
中国海警局は、中国の海上法執行機関です。
日本で例えるなら海上保安庁に近い組織ですが、実際にはそれだけではありません。
主な任務は、
- 海上パトロール
- 密輸取り締まり
- 漁業管理
- 海洋権益の保護
- 領海警備
などです。
中国政府は海警局を通じて、南シナ海や東シナ海で自国の主張を実際の行動で示しています。
なぜ近年よくニュースになるのか
南シナ海で活動が活発化している
中国海警局は近年、南シナ海での活動を大幅に増やしています。
特に、
- フィリピン
- ベトナム
などと領有権を争う海域で頻繁に活動しています。
中国側は「自国管轄海域の警備」と説明していますが、周辺国は圧力行為だと反発しています。
尖閣諸島周辺でも活動している
東シナ海では尖閣諸島周辺への接近が繰り返されています。
日本政府は領海侵入や接続水域での活動に抗議を行っています。
そのため中国海警局は日本でも注目される存在になっています。
中国海警局と海軍の違い
多くの人が混同しやすいのですが、中国海警局と中国海軍は別組織です。
中国海警局
役割
- 法執行
- 取り締まり
- 警備活動
所属
- 中国人民武装警察部隊
使用する船
- 海警船
表向きは警察組織に近い存在です。
中国海軍
役割
- 国防
- 軍事作戦
- 戦争遂行
所属
- 中国人民解放軍
使用する船
- 空母
- 駆逐艦
- フリゲート艦
- 潜水艦
純粋な軍事組織です。
なぜ海軍ではなく海警局を前面に出すのか
軍事衝突を避けやすい
もし海軍艦艇が直接活動すれば、軍事衝突と見なされる可能性があります。
しかし海警局であれば、「法執行活動」という説明が可能になります。
中国はこの特徴を利用しています。
グレーゾーン戦略
近年よく使われる言葉に「グレーゾーン」があります。
戦争ではないが、平和とも言えない状態です。
中国海警局はまさにこのグレーゾーン活動の中心的存在です。
軍事衝突の一歩手前で圧力をかける役割を担っています。
海警局はどれくらい強いのか
実は中国海警局は世界最大級の海上法執行機関です。
大型巡視船を多数保有しており、一部は各国海軍の艦艇に匹敵するサイズを持っています。
近年は1万トン級の巨大船も運用されています。
これは日本の海上保安庁巡視船を大きく上回る規模です。
2021年の海警法とは
中国海警局を語る上で重要なのが海警法です。
2021年、中国は海警法を施行しました。
この法律では海警局に対して、
- 武器使用
- 強制措置
- 外国船への対応
などの権限を認めています。
周辺国やアメリカ、日本は、「緊張を高める可能性がある」として懸念を示しました。
今後どうなるのか
中国海警局の活動は今後も拡大するとみられています。
背景には、
- 南シナ海問題
- 尖閣問題
- 台湾問題
- 海洋権益確保
があります。
中国は海軍だけでなく海警局を活用しながら海洋進出を進めているため、今後も国際ニュースで頻繁に登場するでしょう。
まとめ
中国海警局は中国の海上法執行機関です。
海軍とは異なりますが、近年は強力な船舶と広い権限を持ち、中国の海洋戦略を支える重要組織となっています。
特に南シナ海や東シナ海では、中国海警局が最前線で活動しています。
中国外交や南シナ海問題を理解するためには、中国海軍だけでなく海警局の存在にも注目する必要があります。

