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中国のレアアースはどこで採れるのか?内モンゴル・四川・江西が支える資源大国の実態

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スマートフォン、EV、風力発電、ロボット、ミサイル――。現代社会を支える製品には「レアアース(希土類)」と呼ばれる特殊な金属が欠かせない。

そして、そのレアアースで世界最大の影響力を持つ国が中国である。

中国がレアアース大国であることはよく知られているが、「実際にどこで採れているのか」を知る人は多くない。実は中国のレアアース産業は、内モンゴルの巨大鉱山、四川省の山岳地帯、江西省の特殊な鉱床など、異なる特徴を持つ複数の産地によって支えられている。

なぜ中国だけがこれほど強いのか。その秘密を地理と資源の視点から見ていこう。

目次

中国のレアアースは主にどこで採れるのか?

世界最大の鉱山がある内モンゴル自治区

中国レアアースの象徴ともいえるのが内モンゴル自治区の白雲鄂博(バイユンオボー)鉱山である。

この鉱山は世界最大級のレアアース鉱床として知られ、中国のレアアース産業発展の原点となった。

ここではネオジムやセリウムなどの軽希土類が大量に産出される。ネオジムはEVモーターや風力発電機の高性能磁石に使われるため、世界の脱炭素化とも深く関わっている。

包頭市周辺には採掘だけでなく、精製や磁石製造工場も集積しており、中国レアアース産業の一大拠点となっている。

四川省の山岳地帯にも巨大鉱床

中国南西部の四川省も重要な産地である。

特に冕寧県や牦牛坪鉱山周辺には大規模なレアアース資源が存在する。

四川省は山岳地帯が多く、日本人にはパンダの生息地として知られている。しかし地下には豊富な鉱物資源が眠っており、中国の資源戦略において重要な役割を果たしている。

近年の調査では資源量が従来推定を大きく上回る可能性も指摘されており、中国の供給力をさらに高める要因となっている。

江西省が持つ「世界最強のレアアース資源」

南方イオン吸着鉱とは何か

実は中国が本当に強い理由は、内モンゴルの巨大鉱山ではない。

江西省や広東省など南部地域に広がる「イオン吸着型鉱床」にある。

通常のレアアース鉱山は岩石を掘削して採掘する。

しかし南方イオン吸着鉱は、風化した花崗岩由来の粘土にレアアースが吸着している特殊な鉱床である。

採掘方法も大きく異なる。

この鉱床の価値は、重希土類が豊富なことにある。

EV時代に重要な重希土類

江西省や広東省では、

  • ジスプロシウム
  • テルビウム
  • イットリウム

などの重希土類が採れる。

これらはEVモーターや風力発電機に使われる高性能磁石の性能向上に欠かせない。

特にジスプロシウムは高温環境でも磁力を維持できるため、自動車メーカーや軍需産業が注目する戦略資源となっている。

中国が輸出規制を強化しているのも、この重希土類を握っているからである。

なぜ中国だけがレアアース大国になれたのか?

埋蔵量だけでは説明できない

実はレアアース自体は中国だけに存在する資源ではない。

アメリカ、オーストラリア、ブラジル、インド、ベトナムなどにも埋蔵されている。

それでも中国が圧倒的な存在感を持つ理由は別にある。

それは、

  • 鉱山を持つ
  • 精製技術を持つ
  • 加工工場を持つ
  • 国家が産業を支援する

という4つが揃っているからだ。

レアアースは採掘しただけでは使えない。

複雑な分離・精製工程を経て初めて産業利用できる。

中国はこの工程全体を国内に持っている。

日本との決定的な違い

日本は自動車、半導体、ロボットで世界トップクラスの技術を持つ。

しかし原料となるレアアースの多くを海外に依存している。

つまり日本は「使う側」、中国は「供給する側」なのである。

2010年には中国によるレアアース輸出制限が国際問題となり、日本企業も大きな影響を受けた。

それ以降、日本は調達先の分散を進めてきたが、依然として中国の影響力は大きい。

レアアース鉱山が抱える環境問題

豊かな資源の裏にある代償

レアアース採掘は環境負荷が大きい。

特に南方イオン吸着鉱では、過去に薬品を使った採掘によって土壌汚染や水質汚染が問題となった。

そのため中国政府は近年、

  • 違法採掘の摘発
  • 生産枠管理
  • 国有企業への集約

を進めている。

単純に採掘量を増やすのではなく、「国家管理型資源産業」へ移行しようとしているのである。

中国のレアアース支配は今後も続くのか?

近年はアメリカやオーストラリアもレアアース開発を進めている。

しかし現実には、中国の優位性をすぐに崩すのは難しい。

理由は鉱山だけではなく、

  • 精製設備
  • 技術者
  • サプライチェーン
  • 国家支援

が中国国内に集積しているからだ。

レアアースは単なる地下資源ではない。

鉱山から工場までを含めた巨大産業なのである。

世界の資源地図を知ることは投資にもつながる

レアアースの産地を理解すると、自動車、半導体、商社、資源関連企業の見方も変わる。

中国の輸出規制や資源政策は、日本企業の業績や世界の株式市場にも影響を与えることがある。

世界経済や資源問題を投資の視点から学びたい人は、松井証券のようなネット証券を活用しながら関連企業や市場動向を調べてみるのも面白いだろう。

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まとめ

中国のレアアースは主に、

  • 内モンゴル自治区の白雲鄂博鉱山
  • 四川省の大型鉱床
  • 江西省を中心とする南方イオン吸着鉱

から産出されている。

特に江西省などの南方鉱床は、EVや軍事技術に不可欠な重希土類を豊富に含んでおり、中国が世界市場で強い影響力を持つ最大の理由となっている。

中国のレアアース支配は単なる埋蔵量の多さではなく、地理、精製技術、産業集積、国家戦略が組み合わさって成立しているのである。

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この記事を書いた人

東アジア観測所は、中国・東アジアの経済、社会、テクノロジー、地政学を観察するメディアです。
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