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ひろゆきは正しいのか? AI時代に価値が下がるのは「暗記力」なのか、それとも日本の教育なのか

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2026年6月、実業家のひろゆき氏が「日本の暗記偏重型教育」に疑問を呈し、「座学と記憶力の価値は下がり続けている」とSNSで発言した。この発言は賛否を呼んだが、単なるネット論争で終わらせるのはもったいない。なぜなら、この問題は日本だけでなく、中国やアメリカを含む世界中の教育制度が直面している課題だからだ。

多くの人は「AIがあるなら暗記は不要になる」と考える。しかし実際には、それほど単純な話ではない。

目次

ひろゆきの指摘は半分正しい

確かに現代では、知識そのものの価値は下がっている。

スマートフォンを開けば世界中の情報にアクセスできる。生成AIに質問すれば数秒で答えが返ってくる。かつては辞書を引き、本を読み、時間をかけて調べなければならなかった知識が、今では誰でも簡単に手に入る。

ひろゆき氏が言いたいのは、おそらくここだろう。

実社会では、「歴史の年号を覚えている人」より、「知らない人と交渉できる人」の方が評価される。

「英単語を1000個暗記した人」より、「海外企業と商談できる人」の方が市場価値は高い。

この意味では、暗記だけで評価される時代ではなくなっている。

しかしAIは暗記を不要にはしない

一方で、ひろゆき氏の意見には重要な欠落もある。

AIは答えを出せる。

しかし答えが正しいか判断するのは人間だ。

例えば生成AIに歴史を質問したとする。

歴史知識がゼロの人は、AIが間違った回答をしても気付けない。

経済を知らない人は、AIが作った投資分析の間違いを見抜けない。

つまり知識が不要になったのではない。

むしろAI時代ほど基礎知識が重要になっている。

知識がある人ほどAIを使いこなせる。

知識がない人ほどAIに振り回される。

これが現実だ。

中国はむしろ暗記教育を捨てていない

ここで中国を見ると面白い。

日本では「中国は詰め込み教育」と言われることが多い。

実際、中国の大学入試である高考(ガオカオ)は世界有数の競争試験であり、膨大な暗記と演習が求められる。

しかし近年の中国政府は単なる暗記教育からの転換も進めている。

AI。

半導体。

ロボット。

量子技術。

航空宇宙。

こうした分野で世界トップを目指しているからだ。

つまり中国は、「暗記をやめる」のではなく、「暗記の上に技術力を積み上げる」方向へ進んでいる。

ここが重要である。

日本は暗記偏重なのか

実は日本は意外と暗記偏重ではない。

むしろ中途半端である。

文科省は探究学習や主体的学習を重視している。

しかし大学入試は依然として知識量が重要だ。

現場の教師は探究学習を求められる一方で、テスト対策もしなければならない。

結果として、暗記も中途半端、実践教育も中途半端という状態になりやすい。

中国のように徹底的に受験競争を行うわけでもなく、アメリカのようにプレゼンや課題解決能力を重視するわけでもない。

ここに日本教育の難しさがある。

AI時代に本当に価値が上がる能力とは

AI時代に価値が上がるのは何か。

それは知識ゼロの状態ではない。

むしろ、知識を組み合わせる力、質問する力、判断する力、他人と協力する力である。

AIは知識を提供できる。

しかし問題を発見することは苦手だ。

何を聞くべきかを決めるのは人間である。

つまり暗記力の価値が下がっているのではなく、「暗記だけの価値」が下がっているのである。

日本人への影響

日本では少子高齢化が進み、人材不足が深刻化している。

企業が求めるのは、指示されたことを覚える人材ではなく、自ら考えて動ける人材だ。

一方で基礎学力が低下すると、AIを使いこなすことも難しくなる。

今後の日本に必要なのは、暗記か思考かではない。

暗記した知識をどう使うかである。

結論

ひろゆき氏の「座学と記憶力の価値は下がり続けている」という指摘は半分正しい。

しかしAI時代に不要になるのは知識ではない。

知識を覚えるだけで終わる教育である。

本当に価値が下がっているのは暗記力ではなく、暗記した知識を使わない教育の方かもしれない。

長く使えるものに価値があるという考え方は、ひろゆき氏が手掛ける「Mo,de in Japan」にも通じている。流行を追う大量消費ではなく、日本製の高耐久素材や機能性を重視した製品づくりが特徴だ。AI時代でも変わらない「本質的な価値」を考えるという意味では、教育論ともどこか共通する部分がある。

Mo,de in Japan

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この記事を書いた人

東アジア観測所は、中国・東アジアの経済、社会、テクノロジー、地政学を観察するメディアです。
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