中国人による日本の無人島購入が再び話題になっている。
日本政府は全国約1万3400の無人島について所有者調査を進める方針を示した。背景には近年相次いで報じられた外国人による土地取得や、所有者不明土地の増加がある。
このニュースを見ると、多くの日本人は「中国による国土買収」を連想する。
しかし本当に注目すべきなのは、中国人が島を買ったことではない。
なぜ日本の無人島が放置され、誰の所有物かすら分からない状態になったのかである。
中国人はなぜ日本の無人島を買うのか
一般的には安全保障問題として語られることが多い。
確かに国境離島や基地周辺の土地取得は各国政府が警戒している。
しかし現実にはもっと複雑だ。
中国国内では不動産市場の低迷が続いている。
かつて中国人富裕層は国内マンションへ投資していたが、不動産不況によって海外資産への関心が高まった。
日本は法制度が安定しており、外国人でも比較的自由に土地を購入できる。
しかも無人島や離島の一部土地は想像以上に安い。
中国人だけではない。
香港、台湾、シンガポール、欧米など世界中の投資家が日本の土地へ関心を示している。
つまり問題は「中国人だから」ではなく、「日本の土地管理制度そのもの」にある。
日本はなぜ無人島を放置してきたのか
日本は島国である。
2023年の再調査では約1万4125島が確認された。
しかし国が直接管理する島はごく一部に過ぎない。
多くの離島や無人島は民有地として長年放置されてきた。
理由は単純だ。
経済価値がほとんどなかったからである。
人口減少が進み、漁業も衰退した。
相続人が島を引き継ぎたがらないケースも増えた。
固定資産税だけが発生し、利用方法もない。
結果として所有者不明土地が全国で増加した。
実は今回の調査は、中国人対策というより、日本の土地行政の遅れを修正する意味合いが強い。
中国が注目するのは島そのものではない
中国では海洋戦略が国家政策となっている。
南シナ海や東シナ海での活動を見ても分かるように、島は軍事だけでなく経済活動や資源確保の拠点として重要視される。
しかし日本国内で報じられるような「中国人が島を買えば中国領になる」という話ではない。
外国人が土地を所有しても主権は日本にある。
ただし問題は別にある。
もし国境離島や基地周辺の土地所有が複雑化すれば、緊急時の対応や管理が難しくなる。
また長期間放置された土地は違法利用や不正利用の温床になる可能性もある。
つまり安全保障上の課題は土地所有そのものではなく、管理体制の不透明さなのである。
日本と中国の国土管理は何が違うのか
中国では土地制度そのものが日本と異なる。
都市部の土地は国家所有であり、個人は使用権を取得する仕組みだ。
地方でも集団所有制度が存在する。
そのため日本のように数十年放置され、所有者が分からなくなるケースは比較的少ない。
一方、日本は私有財産権を重視してきた。
これは大きな強みでもある。
しかし人口減少社会では管理できない土地が急増するという副作用も生んでいる。
中国人による無人島購入問題は、中国の脅威というより、日本の人口減少と土地制度の課題を映し出している。
日本人への影響は意外に大きい
無人島の問題は遠い世界の話ではない。
今後、山林、農地、別荘地、過疎地域でも同じ問題が起きる。
相続人不明。
管理者不在。
利用者不在。
こうした土地は全国で増え続けている。
無人島問題はその象徴に過ぎない。
将来的には国有化や管理強化が進む可能性が高い。
日本政府が今回調査に乗り出した背景には、単なる外国人対策ではなく、人口減少時代の国土管理という大きな課題がある。
本当の問題は「中国人」ではなく「日本の空白地帯」
ニュースだけを見ると、中国人による土地取得が問題のように映る。
しかし本質はそこではない。
なぜ重要な土地が長年放置されてきたのか。
なぜ所有者すら把握できないのか。
なぜ人口減少によって管理できない土地が増えているのか。
この問題を解決しない限り、中国人であれ日本人であれ、同じ問題は繰り返される。
無人島買収騒動は、日本の安全保障だけでなく、日本社会そのものの変化を映し出しているのである。
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