中国を訪れた日本人が驚くことのひとつが、デリバリーサービスの普及です。
都市部では朝食から夜食までスマホひとつで注文でき、飲食店だけでなくスーパーの商品まで短時間で届きます。
その結果、中国の若者の間では「毎日料理をする」という習慣が以前より薄れつつあります。
なぜ中国ではここまで自炊離れが進んだのでしょうか。
この記事では、中国の若者が料理をしなくなった背景と、そこから生まれた新しい食文化について解説します。
中国で自炊離れが進んだ理由
デリバリーが圧倒的に便利だから
中国ではフードデリバリー市場が巨大化しています。
スマホアプリを開けば、
- 中華料理
- ファストフード
- カフェ
- スイーツ
- コンビニ商品
まで簡単に注文できます。
配達員の数も多く、都市部では30分前後で届くことも珍しくありません。
若者にとって料理は「必要な行為」ではなく、「やりたい人がやる趣味」に近づいています。
都市部の住宅事情
中国の若者は進学や就職を機に大都市へ移住するケースが多くあります。
しかし都市部の住宅は高額です。
そのため、
- ワンルーム
- シェアハウス
- 小型マンション
で暮らす若者も少なくありません。
キッチンが狭かったり設備が十分でなかったりするため、自炊のハードルが高くなっています。
長時間労働が当たり前だった
中国ではかつて「996」と呼ばれる働き方が話題になりました。
朝9時から夜9時まで働き、週6日勤務する働き方です。
現在は見直しも進んでいますが、都市部では依然として仕事中心の生活を送る人が少なくありません。
仕事が終わってから買い物をして料理を作るより、デリバリーを頼むほうが圧倒的に効率的です。
中国人は毎日何を食べているのか
外食が生活の一部
日本では外食は少し特別なイメージがあります。
しかし中国では外食が日常生活の延長です。
朝食を屋台で買う
昼食を職場近くで食べる
夕食をデリバリーで済ませる
このような生活スタイルも珍しくありません。
チェーン店が急成長
中国では飲食チェーンも急拡大しています。
若者が重視するのは、
- 安い
- 早い
- 味が安定している
という点です。
料理をする時間を節約できることが大きな価値になっています。
スーパーも宅配が当たり前
中国では飲食店だけではありません。
野菜や肉などもスマホで注文できます。
注文から数十分で届くサービスもあり、日本以上に宅配が生活へ浸透しています。
自炊離れで生まれた新たな問題
肥満や生活習慣病への不安
便利な反面、健康面の課題も指摘されています。
外食中心になると、
- 塩分
- 糖分
- 脂質
を摂りすぎるケースがあります。
中国政府が肥満対策を重視している背景にはこうした事情があります。
若者の健康志向が高まっている
近年はデリバリー依存が進む一方で、健康志向も強まっています。
低糖質メニュー
高たんぱく食品
サラダ専門店
健康飲料
などの需要が拡大しています。
つまり中国の若者は、
「料理はしたくない」
しかし
「健康は気になる」
という矛盾した課題を抱えているのです。
健康と時短を両立するサービスが伸びている
中国でも健康宅配市場が拡大
中国では近年、
- 健康弁当
- 栄養管理食
- フィットネス向け宅配食
などの市場が成長しています。
自炊は面倒だけれど健康的な食事は取りたい。
その需要が大きくなっています。
日本でも同じ課題を抱えている
この問題は中国だけではありません。
日本でも共働き世帯や子育て世帯では、
- 毎日料理する時間がない
- 外食ばかりは不安
- 栄養バランスが気になる
という悩みを抱える人が増えています。
まとめ
中国の若者が料理をしなくなった最大の理由は、デリバリーサービスが発達しすぎたことです。
さらに、
- 都市部の住宅事情
- 長時間労働
- 外食文化
- スマホ中心の生活
が重なり、自炊の必要性そのものが低下しました。
一方で肥満や健康問題も拡大しており、中国では今、「料理はしないが健康には気を使う」という新しい消費スタイルが生まれています。
健康と時短を両立するサービスの需要は、今後も中国と日本の両方で拡大していく可能性が高いでしょう。

