近年の中国では、実家で暮らし続ける若者が増えています。
以前であれば、大学卒業後に就職し、独立して家庭を持つことが一般的な人生設計でした。しかし現在では、就職後も実家を離れず暮らす若者や、一度独立した後に実家へ戻る若者も珍しくありません。
中国ではこうした若者を「啃老族(コンラオズー)」と呼ぶことがあります。
なぜ中国の若者は実家暮らしを続けるのでしょうか。その背景を見ていきます。
中国で増える実家暮らしの若者
中国では近年、若者の実家暮らしが社会問題として語られることがあります。
特に都市部では、
- 就職難
- 家賃高騰
- 住宅価格の上昇
- 景気減速
などが重なり、若者が経済的に独立しにくくなっています。
その結果、「無理に一人暮らしをするより実家に住んだ方が合理的」と考える人が増えています。
「啃老族」とは何か
啃老族とは、中国語で「親をかじる人たち」という意味です。
もともとは、
- 働けるのに働かない
- 親の収入に依存する
- 自立する意欲がない
若者を批判する言葉でした。
しかし近年では意味合いが変化しています。
現在の啃老族には、
- 就職活動中
- 資格試験勉強中
- 副業準備中
- 住宅購入資金を貯めている
といった若者も含まれます。
単純な怠惰ではなく、厳しい経済環境の中での生存戦略として実家暮らしを選ぶケースが増えているのです。
若者が独立しにくい最大の理由は就職難
最も大きな理由は雇用環境です。
中国では大学進学率が上昇し、大卒者が増え続けています。
しかし、
- 希望する職種が少ない
- 初任給が伸びない
- 競争が激しい
という問題があります。
そのため卒業後すぐに十分な収入を得られず、実家に残る若者が増えています。
特に景気減速が続く中で、「まずは生活基盤を固めたい」と考える人が多くなっています。
大都市の家賃が重すぎる
中国の大都市では家賃負担も大きな問題です。
北京、上海、深圳などでは、一人暮らしの家賃が若手社員の給与に対して非常に高い割合を占めることがあります。
一人暮らしをすると、
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 食費
などが発生します。
実家暮らしであればこれらの支出を大幅に抑えられるため、貯金や自己投資にお金を回せます。
経済合理性を考えれば、実家暮らしは必ずしも不自然な選択ではありません。
住宅価格が若者を苦しめている
中国では住宅購入が人生の重要な目標とされています。
特に結婚を考える場合、「家を持っていること」が重視される傾向があります。
しかし都市部の住宅価格は依然として高く、若者が自力で購入するのは容易ではありません。
そのため、
- 親から頭金支援を受ける
- 実家で資金を貯める
- 結婚まで同居する
という選択が増えています。
実家暮らしは住宅取得の準備期間としても機能しています。
親に頼ることは本当に甘えなのか
日本では実家暮らしに対して否定的な見方をする人もいます。
しかし中国では少し事情が異なります。
中国は長く一人っ子政策を続けてきたため、
- 子どもが親を支える
- 親が子どもを支える
という相互依存の関係が強く残っています。
親世代も、「子どもが家にいる方が安心」と考えるケースがあります。
また若者側も、
- 家事を担当する
- 親の世話をする
- 生活費の一部を負担する
など、必ずしも一方的に依存しているわけではありません。
実家暮らしはFIREや副業ともつながる
中国で実家暮らしを選ぶ若者の中には、
- FIREを目指す人
- 副業に挑戦する人
- 公務員試験を受ける人
- 大学院進学を目指す人
もいます。
実家に住むことで生活費を抑えられれば、
- 貯金
- 投資
- 資格取得
にお金と時間を回せます。
つまり実家暮らしは単なる節約ではなく、将来への投資でもあるのです。
日本でも考えたい生活費と資産形成
中国の若者が実家暮らしを選ぶ背景には、生活コストを抑えながら将来に備えるという考え方があります。
日本でも、
- 住宅価格
- 物価上昇
- 老後不安
などを理由に、支出の見直しや資産形成への関心が高まっています。
その選択肢の一つとして注目されているのが、三井物産グループが運営するデジタル証券サービス「ALTERNA(オルタナ)」です。
ALTERNAは不動産やインフラなどの実物資産へ少額から投資できるサービスで、
- 預金より高い利回りを目指せる
- 株式より値動きを抑えやすい
- スマホだけで始められる
といった特徴があります。
支出を抑えるだけでなく、長期的に資産を育てることも重要な時代になっています。
まとめ
中国で実家暮らしの若者が増えている背景には、
- 就職難
- 家賃高騰
- 住宅価格の高さ
- 将来不安
があります。
かつての「啃老族」は批判的な意味で使われていましたが、現在では生活防衛や資産形成のための合理的な選択として捉えられることも増えています。
中国の若者たちは、厳しい経済環境の中で少しでも将来の選択肢を広げようとしているのです。
実家暮らしの増加は、中国社会の価値観や経済環境の変化を映し出す現象と言えるでしょう。

