中国では近年、「寝そべり族(躺平族)」や「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という言葉が注目を集めています。
かつての中国では、「良い大学に入り、良い会社で働き、家を買い、家庭を持つ」という人生設計が一般的でした。しかし現在の若者の中には、競争社会から距離を置き、できるだけ早く経済的自由を手に入れたいと考える人が増えています。
なぜ中国の若者はFIREに憧れるのでしょうか。その背景を詳しく見ていきます。
中国で広がる「寝そべり族」とは
寝そべり族とは、中国語で「躺平(タンピン)」と呼ばれる考え方です。
意味は非常にシンプルで、
- 出世競争に参加しない
- 必要以上に働かない
- 消費を抑える
- 無理に結婚しない
- 自分らしい生活を優先する
という価値観を指します。
背景には中国社会の激しい競争があります。
大学受験の競争を勝ち抜き、就職活動を乗り越えても、その先には長時間労働が待っています。
若者の間では、「頑張っても人生が楽にならない」という諦めに近い感情が広がっています。
996労働文化への反発
中国では長年、「996」と呼ばれる働き方が問題視されてきました。
996とは、
- 朝9時出社
- 夜9時退社
- 週6日勤務
を意味します。
IT企業やスタートアップ企業では特に一般的でした。
高収入を得られる人もいますが、その代償としてプライベートの時間は大きく制限されます。
若者の間では、「仕事のために人生を犠牲にしたくない」という意識が強まり、FIREへの関心につながっています。
若年失業率の高さが将来不安を生む
中国では若年層の就職難も深刻な問題です。
大学卒業生の数は年々増加していますが、景気減速や不動産不況の影響もあり、希望する職に就けない若者も少なくありません。
その結果、
- 安定した収入を得られるか分からない
- 住宅ローンを組めるか不安
- 将来の年金制度が心配
といった不安が広がっています。
会社に依存することへの不信感が強まり、自分で資産を作ろうと考える若者が増えているのです。
中国のFIREはアメリカ型とは少し違う
FIREという言葉はアメリカ発祥ですが、中国版FIREには独特の特徴があります。
アメリカでは、
- 高収入
- 株式投資
- インデックス投資
を活用しながら早期リタイアを目指すケースが多く見られます。
一方、中国では、
- 支出を減らす
- 地方都市へ移住する
- 副業を持つ
- 理財商品を活用する
- 貯蓄率を高める
という堅実なスタイルが主流です。
つまり中国のFIREは、「大金持ちになる」ことよりも、「会社に縛られない生活を作る」ことに重点があります。
不動産神話の崩壊も影響している
かつて中国では、「家を買えば必ず値上がりする」と考えられていました。
しかし近年は不動産市場の低迷が続いています。
恒大集団問題をはじめ、多くの不動産会社が経営難に陥り、住宅価格も地域によっては下落しています。
これにより、
- 不動産だけでは将来が不安
- 資産を分散したい
- 他の投資先を探したい
と考える若者が増えています。
中国の若者が学び始めた資産形成
最近では中国でも、
- ETF
- 投資信託
- 理財商品
- 債券型商品
などへの関心が高まっています。
以前のような投機的な投資だけでなく、「安定的に資産を増やしたい」という考え方が広がっています。
これはFIRE志向の広がりとも密接に関係しています。
日本でも広がる資産形成という選択肢
中国の若者たちが将来不安に備えて資産形成を学び始めているように、日本でも老後資金やインフレ対策を意識する人が増えています。
その中で注目されているのが、三井物産グループが運営するデジタル証券サービス「ALTERNA(オルタナ)」です。
ALTERNAは不動産やインフラなどの実物資産へ少額から投資できるサービスで、
- 預金より高い利回りを目指せる
- 株式ほど大きな値動きを避けやすい
- スマホだけで始められる
といった特徴があります。
「いきなり個別株は不安」
「長期でコツコツ資産形成したい」
という人には選択肢の一つになるでしょう。
まとめ
中国の若者がFIREに憧れる背景には、
- 就職難
- 996労働文化
- 不動産不況
- 年金不安
といった社会的な問題があります。
彼らは単に働きたくないのではなく、会社や社会に依存しない生き方を模索しているのです。
その結果として、
- 節約
- 副業
- 投資
- 資産形成
への関心が高まり、FIREという考え方が支持されるようになりました。
中国社会の変化を観察すると、これからの時代は日本でも「資産形成」がますます重要になることが見えてきます。

