近年の中国では、公務員試験の人気が再び高まっています。
かつてはIT企業や不動産業界で高収入を目指す若者が多くいましたが、現在では安定した公務員を志望する人が急増しています。
中国では公務員や国有企業などの安定職を「鉄飯碗(ティエファンワン)」と呼びます。直訳すると「鉄の茶碗」であり、簡単には壊れないことから「一生食べていける仕事」を意味します。
なぜ中国の若者は再び鉄飯碗を求めるようになったのでしょうか。
中国で公務員人気が再燃している
中国の国家公務員試験は毎年数百万人規模が受験する巨大試験です。
近年は景気減速や就職難の影響もあり、競争率はさらに上昇しています。
以前であれば、
- IT企業
- インターネット企業
- 不動産業界
- 金融業界
などが人気でした。
しかし現在は、「多少給料が低くても安定した仕事が良い」と考える若者が増えています。
中国社会では将来への不安が強まるほど、公務員人気が高まる傾向があります。
「鉄飯碗」とは何か
鉄飯碗という言葉は中国では非常に有名です。
もともとは計画経済時代に、
- 終身雇用
- 手厚い福利厚生
- 解雇リスクの低さ
を持つ職業を指していました。
現在でも、
- 公務員
- 国有企業職員
- 一部の公的機関
は鉄飯碗と呼ばれています。
特に親世代からは評価が高く、「公務員なら安心して結婚できる」「住宅ローンも組みやすい」と考えられています。
若者が民間企業を避ける理由
中国で公務員人気が高まる背景には、民間企業への不安があります。
かつて中国経済をけん引したIT企業では、
- リストラ
- 採用削減
- 残業問題
が相次ぎました。
不動産業界も不況の影響を受け、多くの企業が経営難に陥っています。
以前は高収入を目指して民間企業へ進む若者が多かったものの、現在では「高収入より安定」を重視する流れが強まっています。
996労働への疲れ
中国の若者の価値観を変えた大きな要因の一つが「996労働」です。
996とは、
- 朝9時から
- 夜9時まで
- 週6日働く
という長時間労働を意味します。
特にIT企業では当たり前のように語られてきました。
高収入を得られる可能性はありますが、その代わりにプライベートの時間は大きく犠牲になります。
若者の間では、「仕事のためだけに生きたくない」という考えが広がり、公務員人気につながっています。
就職難が安定志向を加速させる
中国では大学進学率の上昇により、大卒者の数が増え続けています。
一方で経済成長は以前ほど勢いがなくなっています。
その結果、
- 希望する仕事に就けない
- 給与が伸びない
- 転職競争が激しい
という問題が発生しています。
将来への不安が強まるほど、鉄飯碗への憧れも強くなります。
特に若者の間では、「まずは安定した職に就きたい」という考えが以前より強まっています。
公務員も本当に安泰なのか
ただし、公務員も完全に安全というわけではありません。
近年は地方政府の財政悪化が問題となっています。
土地売却収入の減少や不動産不況の影響により、一部地域では財政負担が増えています。
そのため、
- 賞与削減
- 手当縮小
- 採用抑制
などの動きも見られます。
つまり現在の中国では、「民間企業も不安」「公務員も絶対ではない」という状況になっています。
それでも多くの若者が公務員を目指すのは、相対的に見れば依然として安定性が高いと考えられているからです。
安定を求める時代と資産形成
中国の若者が鉄飯碗を目指す背景には、将来への不安があります。
これは日本でも無関係ではありません。
終身雇用が当たり前ではなくなり、年金や老後資金への不安も高まる中、「仕事だけに頼らない準備」を考える人が増えています。
そこで注目されているのが、三井物産グループが運営するデジタル証券サービス「ALTERNA(オルタナ)」です。
ALTERNAは不動産やインフラなどの実物資産へ少額から投資できるサービスで、
- 預金より高い利回りを目指せる
- 株式より値動きを抑えやすい
- スマホだけで始められる
といった特徴があります。
中国の若者が安定職を求めるように、日本でも安定した資産形成を考える人が増えているのです。
まとめ
中国で公務員人気が再燃している背景には、
- 景気減速
- 就職難
- 996労働への反発
- 民間企業への不安
があります。
かつては高収入を目指して民間企業へ進むことが成功の象徴でした。
しかし現在は、「長く安定して働けること」が重視される時代になっています。
鉄飯碗ブームは、中国の若者たちが将来への不安と向き合う中で生まれた現象とも言えるでしょう。
安定した職業を求める流れと同時に、資産形成への関心も高まっており、中国社会の価値観は大きく変化しつつあります。

